介護ロボットとは part1

超高齢社会に突入、介護人材が不足している日本

日本の人口は過去数年間、持続的に減少しており、2014年の総人口は約1億2,708万人で、前年比約21万5千人減少しています。特に、15歳から64歳までの生産年齢人口は減少が続いており、2040年に向けてその減少傾向がさらに拡大すると予測されています。

将来に向けて、日本は高齢化社会のピークを迎えると同時に、急速に増加する介護ニーズの多様化に適切に対応する必要があります。一方で、人口減少社会が到来することで、生産年齢の介護人材の確保が難しくなるという課題も浮上しています。

出典)厚生労働省「介護サービス事業(施設サービス分)における生産性向上ガイドライン」
出典)第 8 期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について(令和 3 年 7 月 9 日厚生労働省社会・援護局)
   厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000804129.pdf

2020年度末には介護する人材は、約216万人、2025年度末には約245万人が必要であり、
2020年度末までに約26万人、2025年度末までに約55万人が不足し、年間6万人程度の介護人材を確保する必要があると言われています。

この問題に対し、国(厚生労働省)が介護福祉施設に対して導入を勧めているのが、

介護ロボット

です。

そもそも介護ロボットとは?

介護ロボットは厚生労働省によると、下記の内容に当てはまるものをいいます。

1.ロボットの定義とは、
・情報を感知(センサー系)
・判断し(知能・制御系)
・動作する(駆動系)
この3つの要素技術を有する、知能化した機械システム。
2.ロボット技術が応用され利用者の自立支援や介護者の負担の軽減に役立つ
介護機器を介護ロボットと呼んでいる。

厚生労働省HPより
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000210895.pdf

ちょっと何言ってるのかわなからないですよね?笑

この定義を詳しく話すよりかは、どういったものが対象外になるのかご説明させてもらうのが、わかりやすいと思いますので、下記をご覧ください。

マットセンサー
リフト

上記のようなマットセンサーリフトは介護ロボットではありません。
これらはセンサーが内部に装備されておらず、また自身で判断するわけではありませんので、介護ロボットの対象外となってしまいます。

介護ロボットの導入には補助金を利用することが可能ですが、マットセンサーやリフトなどの場合は、
補助金の対象にならないので、注意が必要です。

介護ロボットの種類

介護ロボットにはどんな種類があるか、具体的にご説明していきます。

導入には補助金を利用できる場合もありますので、1台当たりの補助最大額も記載しておきます。

移譲支援ロボット(導入時:補助金額最大100万円/台)

移譲支援ロボットとは、介護職員が身体の自由が利かない利用(介護される人)をベッドから車いすなどに、移動させるために利用するロボットになります。
身体的な負担を軽減させるために、移譲支援ロボットを使って、職員の身体的な負担を低減することが可能になっています。直接、介護職員が身に着ける「接触型」のものとロボット自体が介護者の移動をアシストする「非接触型」と大きく2種類あります。

移動支援ロボット(導入時:補助金額最大30万円/台)

移動支援ロボットは、歩行が困難な利用者が利用するロボットです。高齢者の方が、散歩されるときに、シルバーカーを利用しているところを見る機会があると思いますが、その強化版のイメージです。
そのシルバーカーに電動の歩行アシスト機能を持たせて、歩行を楽にするようなロボットを移動支援ロボットといいます。
これらは、GPSが内蔵されているものもあり、ご家族の方がスマートフォンなどで動向を見守ったりすることも可能です。

排泄支援ロボット(導入時:補助金額最大30万円/台)

その名の通り、排泄を支援するロボットです。
例を挙げる方がイメージがしやすいと思います。
例1)利用者のベッド下にセンサーマットを敷き、排泄した匂いを感知し、職員のスマートフォンに、お知らせするロボット
例2)ロボット利用者の膀胱にセンサーを取り付けて、膀胱にたまった尿の量を可視化し、タイミングよくトイレ誘導できるロボットなどがあげられます。
定期的に排泄チェックをするのではなく、利用者のタイミングに合わせた排泄介護ができることが特徴です。

見守りロボット(導入時:補助金額最大30万円/台)

見守りロボットには大きく2種類あります。
利用者の睡眠状態、心拍、呼吸状態など可視化しすることで、利用者のバイタル情報を把握し、夜間の見回りの際、既に深い睡眠状態になっている利用者の部屋には訪室しないなどの対応ができるマット型の見守りロボットや、利用者のお部屋にカメラを設置し、訪室せずともお部屋の利用者の様子を知れたり、ベッドから起き上がった瞬間に職員のスマートフォンにお知らせをし、転倒する前に、介助に駆けつけることのできるカメラ型見守りロボットなど多くのメーカーが様々な見守りロボットを提供しています。

コミュニケーションロボット(導入時:補助金額最大30万円/台)

高齢者の話し相手になるロボットは「コミュニケーションロボット」と呼ばれており、おもに会話や動きにより人と交流を持つ目的で開発されたロボットを指します。
ChatGPTによるAIの発展により性能が急速に上がっており、日常生活で行う電気の消灯やテレビのON、OFFなどに対応できるような生活を支援できるものもあります。デイサービスでは、体操やゲームなどをコミュニケーションロボットがやってくれたりするものも、増えてきています。

入浴支援ロボット(導入時:補助金額最大100万円/台)

入浴支援を目的とした介護ロボットは、浴槽への出入りや浸かり方に関する一連の動作をサポートします。
高齢者や筋力が低下した方が安全に入浴できるよう、転倒リスクを軽減します。浴槽への出入りや湯船への浸かり方など、入浴に関連する動作を効果的に支援したり機器を使用した状態で胸部まで湯に浸かることができるものもあり、各種メーカーによってさまざまな特色があります。
個人または介護者1名の支援で利用可能であり、介護職員の負担を軽減することができます。

まとめ

介護ロボットには、様々な種類があり、施設様の人出不足や労働環境の改善などの問題を解決できるだけの性能を持っているものもあり、近年、国を挙げて導入が勧められています。

こういった介護ロボットを導入する際には、まず施設として何が問題なのか、何を解決したいのかという自問自答が大事です。

補助金を利用できるからといって、安易に導入を決めてしまうと、思っていたものと違って、使わなくなってしまったりすることもございます。

そういった介護ロボットの導入や補助金の利用については、当事務所が相談を承っております。

第三者の目線でアドバイスや提案など行っておりますので、是非お気軽にお申し付けください。

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