介護施設で大規模修繕をするなら使いたい補助金

大規模修繕補助金

介護施設で大規模修繕するなら
使いたい補助金

少しずつ認知度が上がり、介護施設などで導入が増えてきた介護ロボット。

ですが、まだ必需品になるには程遠い状況です。

そもそも施設も老朽化し、介護ロボット以外にも修繕や投資しないといけない部分は山ほどある!

では、

・老朽化する施設を修繕する

・介護ロボットの導入をする

両方を達成できる事業(補助金)があるのはご存知でしょうか?

今回は、通称「大規模修繕補助金」について行政書士が解説していきます。

結論:大規模修繕補助金の概要についてわかります

1.留意事項

ポイント:都道府県市町村によって内容が変わる可能性があります

補助金は、都道府県や市町村によって概要が変わります。当記事では令和5年度の福岡市のHPを参考に作成しております。

福岡市HP

所在地の市町村が違う場合には、各庁舎に確認をするようにして下さい。

当補助金は福岡市の場合、正式名称を「地域密着型施設等整備補助金」といいます

この補助金を分類すると

①地域密着型サービス等整備助成事業
②介護施設等の施設開設準備経費等支援事業
③定期借地権設定のための一時金の支援事業
④既存の特別養護老人ホームに併設されるショートステイにおける多床室のプライバシー保護のための改修支援事業
⑤介護療養型医療施設等転換整備支援事業
⑥介護施設等における看取り環境整備推進事業
⑦共生型サービス事業所の整備推進事業
⑧民有地マッチング事業
⑨介護職員の宿舎施設整備事業
⑩介護施設等における新型コロナウイルス感染拡大防止対策支援事業

の事業に分かれており、本記事で扱うのが、

②介護施設等の施設開設準備経費等支援事業
ア 介護施設等の施設開設準備経費支援事業
イ 介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICTの導入支援事業
ウ 介護予防・健康づくりを行う介護予防拠点における防災意識啓発の取組支援事業

になります。

何が言いたいかというと、かなり大きな補助金事業の枠の中の一つに、介護ロボット導入を支援する補助があるということですね。

2.補助金の概要

介護ロボットの導入を支援する補助金は、先述のとおり、

②介護施設等の施設開設準備経費等支援事業
イ 介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICTの導入支援事業

ですが、通称「大規模修繕補助金」と言います。

以後、当記事でも大規模修繕補助金として扱います。

どのような補助金かというと簡単に言えば、

介護施設の大規模な修繕をする際、介護現場の生産性向上を推進するための介護ロボット・ICTの導入を補助対象にしますというものになります。

元々は、介護施設を開設する際や、増床する際に、導入する介護ロボットやICTに利用できていた補助金だったのですが、大規模修繕の場合でも使えるように緩和されました。

ではその大規模修繕とはどういった内容が当てはまるのでしょうか?

2−1大規模修繕とは?

大規模修繕に当てはまるもの

(1)施設の一部改修
一定年数を経過して使用に堪えなくなり、改修が必要となった浴室、食堂等の改修工事や外壁、屋上等の防水工事等施設の改修工事

(2)施設の付帯設備の改造
一定年数を経過して使用に堪えなくなり、改修が必要となった給排水設備、電気設備、ガス設備、消防用設備等付帯設備の改造工事

(3)施設の冷暖房設備の設置等
気象状況により特に必要とされる熱中症対策等のための施設の冷暖房設備の新規設置工事及び一定年数を経過して使用に堪えなくなり、改修が必要となった冷暖房設備の改造工事

(4)避難経路等の整備
居室と避難通路(バルコニー)等との段差の解消を図る工事や自力避難が困難な者の居室を避難階へ移すための改修等防災対策に配慮した施設の内部改修工事

(5)環境上の条件等により必要となった施設の一部改修
① 活火山周辺の降灰地域等における施設の換気設備整備や窓枠改良工事等 ② アスベストの処理工事及びその後の復旧等関連する改修工事

(6)消防法及び建築基準法等関係法令の改正により新たにその規定に適合させるために必要となる改修
消防法設備等(スプリンクラー設備等を除く。)について、消防法令等が改正されたことに伴い、新たに必要となる設備の整備

(7)土砂災害等に備えた施設の一部改修等
福岡県が土砂災害等の危険区域等として指定している区域に設置されている施設の防災対策上、必要な補強改修工事や設備の整備等

(8)施設の改修整備
施設事業を行う場合に必要な、既存建物(賃貸物件を含む。)のバリアフリー化工事等、施設等の基盤整備を図るための改修工事

(9)その他施設における大規模な修繕等
特に必要と認められる上記に準ずる工事

上記のような工事をする場合には、介護ロボットを導入するにあたって、

ポイント:Wi-Fi環境を整備することは大規模修繕には当たらない

Wi-Fi環境を整備することは、新設することと同義になるため、大規模修繕には当たりません。

ポイント:大規模修繕に対して補助金はでない

また、上記9つのうちのいずれかの工事を行うと、介護ロボット導入の補助金が得られますが、大規模修繕工事自体には、補助金がませんので注意しましょう。

2−2 補助金額や補助率は?

補助金の基準

◯補助金額 1床あたり336,000円
◯最大補助金額 定員数
◯補助率 なし
対象施設(おおむね10年以上経過している施設に限る)
定員30名以上の広域型施設
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護医療院
・ケアハウス
・養護老人ホーム
・介護付きホーム(有料老人ホーム又はサービス付き高齢者向けであって、特定施設入居者生活介護の指定を受けるもの)

定員29名以下の地域密着型施設
・地域密着型特別養護老人ホーム
・小規模な介護老人保健施設
・グループホーム
・小規模多機能居宅介護事業所
など

ポイント:補助金額=定員数×336,000円

他の介護ロボット導入補助金と違うのは、定員数×336,000円が補助金額であることです。

つまり補助率という概念が存在しませんので、場合によっては、介護ロボットの導入費用が、補助金額より下回った場合には、手出しなしで介護ロボットを導入できることとなります。

100床なら3360万円という金額も見てわかることから、かなり手厚い補助金になっていることがわかります

ポイント:Wi-Fiの環境構築もOK

みまもりセンサーなどの見守りロボットの場合は、Wi-Fi環境が必須となります。その整備にかかった金額も補助の対象となります。

2−3 スケジュール

スケジュールは下記の通りになります。

福岡市HPより

基本的には、当年で申し込みをし、採択された場合には次年度に事業を開始するものとしています。

ですので、最低でも申し込んでから1年はかかかりますので、事業計画やスケジュールなどその点を踏まえてしっかりと作成する必要があります。

3.まとめ

メリット

・補助金額がかなり大きい
・場合によっては手出しなしで、介護ロボットの導入が可能に
・介護ロボットがWi-Fi環境を必要とする場合には環境構築工事も対象になる

デメリット

・年度を必ず跨いでの導入となる
・都道府県や市町村によっては補助事業をやっていないところもある
・大規模修繕工事自体の金額は補助されない
・設立10年未満の施設は原則対象外

メリットデメリットを上記にまとめましたが、デメリットを上回るだけのメリットを感じられる補助金となっています。

大規模な改築や修繕を介護施設ですでに決まっているのであれば、同時に介護ロボットの導入をすることを検討した方が大きなメリットとなります。

併せて読みたい記事

業務内容等は、当ホームページをご覧ください

上記もしくは下記メニューボタンより
ご覧いただけます

当事務所では、大規模修繕補助金をはじめとする介護ロボットの導入に関する補助金の代行申請を行なっています。

ぜひお気軽にお問い合わせください

お問い合わせ

ご依頼及び業務内容へのご質問などお気軽にお問い合わせください