介護テクノロジー導入支援事業だけじゃない!介護ロボットを導入する際に使える補助金

競輪とオートレースの補助事業について解説

介護テクノロジー導入支援事業だけじゃない!
介護ロボットを導入する際に使える補助金

少しずつ認知度が上がり、介護施設などで導入が増えてきた介護ロボット。

職員の身体的負担軽減や精神的負担軽減、利用者の転倒防止や睡眠の質の管理など、様々な場面で活躍しています。

超高齢社会を迎える日本としては、介護ロボットに頼る部分が今後も増えてくるでしょう。

実際に2024年度の介護報酬の改定では、みまもりロボットを導入すると加算報酬が追加されました。

国としても人手不足が問題となる介護の現場に対して、介護ロボットの導入促進しているのは間違いないでしょう。

ただし、介護ロボットは高額です。
1台導入するのに数十万円するものから、システム自体を導入するのに数百万、数千万円かかることもあります。
そういった施設の負担を軽減するために、多くの補助金が利用されています。

それって介護テクノロジー導入支援事業(前:介護ロボット導入支援補助金)のことでしょ?と思われた方もいらっしゃると思いますが違います。

「競輪とオートレースの補助事業」

です。競輪とオートレース?一見関係なさそうに見えますが、介護ロボットに対して補助金が出ている実績もございます。

今回はそんな競輪とオートレースの補助事業について解説していきます。

尚、2024年度の補助方針を参考に今回の記事を執筆しております。

結論:競輪とオートレースの補助事業についてわかります

1.補助金の概要

競輪とオートレースは、それぞれ自転車競技法と小型自動車競走法の規定により、地方自治体が開催する公営競技です。

その収益は、競技を開催する地方自治体の財政の健全化に役立てられるだけではなく、自転車・小型自動車その他の機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に寄与する形で社会に還元されます。

事業者は公益財団法人 JKAであり、地方自治体が施行する競輪・オートレースの売上げの一部により、機械振興並びに公益事業振興に対する補助を行います。

具体的に当財団が補助をしている事業が下記のとおりです。

機械振興補助事業

◯振興補助事業
・自転車・モーターサイクル・障がい者スポーツ
・安全・安心、生活の質の向上、防災・減災
・機械技術を活用した福祉機器の振興
・福祉機器の整備国際競争力強化に資する標準化の推進
・ものづくり支援
・地域の機械産業の振興
・省エネルギー等の環境分野の振興
・医療機器の振興
・医療機器の整備
・2025年日本国際博覧会への支援

◯公設工業試験研究所等
・機械設備拡充
・人材育成等
・共同研究

◯研究補助

◯緊急的な対応を必要とする事業への支援

公益事業振興補助事業

◯公益の増進
自転車・モーターサイクル
・スポーツ(障がい者スポーツを含む)
・社会環境
・国際交流
・医療・公衆衛生
・文教・学術文化
・新世紀未来創造プロジェクト

◯社会福祉の増進
・児童
・高齢者
・障がい児・者
・地域共生型社会支援事業
・幸せに暮らせる社会を創るための活動や車両・機器等の整備

◯復興支援

◯研究補助

◯緊急的な対応を必要とする事業への支援

ポイント:介護ロボット以外でも様々な事業で補助金の対象となる

介護ロボットの導入支援は
「公益事業振興補助事業」の「社会福祉の増進」の枠で利用できます。
その中でも、具体的には福祉機器の整備という枠になります。

今回は説明を省きますが、介護ロボットの導入支援以外にも、様々な事業で補助金の対象となりますので、興味のある方は調べてみて下さい

競輪とオートレース補助事業ホームページ

スケジュールは下記のとおりです。

2024年度補助方針

2.福祉機器の整備枠の概要

介護ロボットを導入するにあたって、「福祉機器の整備」の枠で申請することになりますが、どのような内容なのでしょうか?

そして、気になる受けられる補助金や補助率はどれくらいなのでしょうか?

補助金の基準

◯補助金上限額1,125万円
◯補助率:3/4
◯対象機器
・リハビリ機器
・特殊浴槽
・見守り支援システム(ナースコール除く)
・介護ロボット(移乗介助、移動支援)
・その他介護機器(介護リフト、座面昇降機能付車いす、モジュール型車いす等)
※対象となる経費は、機器及び建屋内設置場所までの搬送・据付、現地試運転調整等に係わる費用に限ります。
◯補助対象者
・財団法人
・社団法人※1
・社会福祉法人
・更生保護法人
・商工会
・商工会議所
・私立特別支援学校を運営する学校法人
・特別の法律に基づいて設立された法人※2

※1 財団法人・社団法人とは、一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、 公益社団法人を指します。
※2 特別の法律に基づいて設立された法人とは、日本赤十字社法等に基づく認可法人を指します。

◯備考
・事業費総額は100万円以上

メリット1:手厚い補助金額

上記のように、事業金額の3/4が補助金の対象で、その上限額は1125万円です。

言い換えると、1500万円までの事業費であれば、1/4の手出しで介護ロボットが導入できるということです。

非常に手厚い補助金となっています。

これは、介護テクノロジー導入支援補助金(旧称:介護ロボット導入支援事業補助金)と同程度の補助金額・補助率であり、むしろ台数の制限が特に設けられていないことを考えると、導入する介護ロボットによっては、当補助金の方が内容が良い可能性も考えられます。

当補助金

区分補助額補助率補助台数
全ての介護ロボット上限1125万円3/4必要台数

比較対象:介護テクノロジー導入支援事業

区分補助額補助率補助台数
移譲支援・入浴支援上限100万円3/4※1必要台数※2
上記以外上限30万円3/4※1必要台数※2
※1一定の要件を満たす場合は3/4、それ以外は1/2
※2都道府県によって変動あり
メリット2:みまもり機器であればWi-Fi環境に対しても可

みまもり機器を導入する場合には、スマートフォンなどを利用するため、必ずWi-Fi環境が必須となります。

もう一度対象経費の内容を見てみると

対象となる経費は、機器及び建屋内設置場所までの搬送・据付、現地試運転調整等に係わる費用に限ります。

とあります。これはつまり、介護ロボットを導入し、動作するための環境も補助の対象になると言い換えられます。

また、この補助金のポイントは、総事業費用に対して補助金が出るということです。

つまりは、

補助金額 =(みまもりロボットの導入費用+Wi-Fi環境工事費用)×3/4

の補助金が出るということです。

この点も介護テクノロジー導入支援補助金(旧称介護ロボット導入支援事業補助金)と差別化できるポイントです。

介護テクノロジー導入支援事業では、介護ロボット導入費用(みまもりロボット)と通信工事費用の補助金額は別々に分けられています。

つまりは、

補助金額 = みまもりロボットの導入費用×3/4+Wi-Fi環境工事費用×3/4

これらも一概には言えませんが、導入する介護ロボットや施設の状況によっては、介護テクノロジー導入支援事業の補助金よりも内容が良い可能性がありますね。

当補助金

補助最大額補助率
上限1125万円総事業費用の3/4

比較:介護テクノロジー導入支援事業

補助最大額補助率
上限1000万円※2通信工事費用の3/4※1
※1一定の要件を満たす場合は3/4、それ以外は1/2
※2都道府県によって変動あり

デメリット1:採択率が低い

メリットばかりではありません。デメリットもお話しさせていただきます。

介護ロボットでの導入支援、つまり「福祉機器の整備」枠の昨年の採択率28と非常に低い数値となっています。
これは他の申請枠ではおおよそ60%を超えていると考えると明らかに以上な数値です。

申請件数も884件と非常に多く、かなり競合が多いことが目に見えてわかります。

その上、2023年度の採択率を確認してみると、採択率88%、要望件数は163件です。

2024年から比べると、かなり申請数が増加してしまっていることがわかります。

年度対象事業要望採択採択率
件数
(A)
金額
(B)
件数
(C)
金額
(D)
件数
(C)÷(A)
金額
(D)÷(B)
2024福祉機器の整備8844,514,8132511,297,43628%29%
2024年度 機械振興補助事業 採択率一覧
年度対象事業要望採択採択率
件数
(A)
金額
(B)
件数
(C)
金額
(D)
件数
(C)÷(A)
金額
(D)÷(B)
2023福祉機器の整備163807,963143702,73288%87%
2023年度 機械振興補助事業 採択率一覧
デメリット2:導入できる介護施設が限られる

◯補助対象者
・財団法人
・社団法人※1
・社会福祉法人
・更生保護法人
・商工会
・商工会議所
・私立特別支援学校を運営する学校法人
・特別の法律に基づいて設立された法人※2

※1 財団法人・社団法人とは、一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、 公益社団法人を指します。
※2 特別の法律に基づいて設立された法人とは、日本赤十字社法等に基づく認可法人を指します。

補助対象者は、上記の内容となっており、社会福祉法人や社団法人など、公益性の高い事業者が対象となっており、株式会社などの法人は対象外となっています。

介護テクノロジー導入支援補助金(旧称:介護ロボット導入支援事業補助金)では、介護事業所番号がある特定施設であれば、補助金を受けられる対象となっていましたので、株式会社が運営している介護施設で、該当するのであれば問題ありませんでした。

そういう意味では、対象施設の範囲が狭いということはデメリットになるでしょう。

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